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キーワード:少し過ぎる

小過。亨。利貞。可小事不可大事。飛鳥遺之音。不宜上宜下。大吉。

小過は、亨る。貞しきに利し小事に可なるも、 大事に可ならず。飛鳥これが音を遺す。上るに宜しからず、下るに宜し、大いに吉。

 

 

〔大意〕ツキがない状態というのは、運が良いように見えることがあります。積極的に何かをやり、結果的に失敗する、この卦の状態はそれです。

小過とは小なる者ということです。「小過は、亨る」と本文にはあります。これは小さ事は良いということです。これが過信を呼ぶのです。勝負事で失敗するのはこういうきです。

あなたはきっと自分に自信を持ち、また時にも恵まれていると実感しているでしょう表面の意識ではそう思わなくても心のどこかにそういう気持がひそんでいる。それが問題です。

いまはじっくりと選択し判断するときです。あなたがしなければならないことはたくんあるでしょうが、いまは簡単なこと、すぐにできること、機が熟したことから取り組べきです。

全体的に大きな無理がこない事柄のみ、積極的に関わりを持つようにしなければなりせん。

いまは自分の能力からみてもの足りない状態でちょうどいい。いまはすべてに余裕をたなければならない。休息のときではないが、馬力をかけるときでもないのです。

積極人間にとって、万事をひかえ目にすることは難しいことです。しかしその難しいこをやりとげる抑制力をこそ、いまは養うべきなのです。

あなたが消極人間、あるいは勇気のない人間なら、そのことに自信を持ちなさい。そいう態度が功を奏するときもある。人生にはメリハリが必要なのです。いまは自信を持て見送るときです。

 

  • 運勢 衰運とみる。何事にも消極的、控え目を守って無事。
  • 願望 小事は亨る。
  • 事業 不調、積極的に出る時は危険である。新規事業・拡張、すべて不可。
  • 結婚 成・可否ともに良くない占 である。
  • 交渉事 背反しやすく不調。柔和策を用いて成る場合も考えられるが、まとまっても不利な時。
  • 家出人 時期を失って戻りにくいとみる。
  • 待ち人 遅れて来たり、来なかったりする場合が多い。
  • 病気 胃腸疾患・肝腎の病が多く癌も多いので特に注意が肝要。

 

 

◎初6:激しすぎることに注意せよ。

初六。飛鳥以凶

初六。飛鳥以て凶

分不相応に背伸びして失敗を招きやすい。運気など空転して転ぶ時なのですべてに自重自戒して過ごすように心がけなければならない。

 

◎二6:人を選んではいけません。

六二。過其祖。遇其妣。不及其君。遇其臣。无咎。

六二。其の祖を過ぎ、其の妣に遇う。其の君に及ばず、

其の臣に遇う。咎无し。

運気など好調な時とみるが、何事にも控え目に事を運んで行く心がけが安泰を得る。

 

◎三9:周囲をよく観察しなさい。

九三。弗過防之。従或戕之。凶。

九三。過ぎずして之を防ぐ。従いて或いは之を戕う。凶。

身辺非常に危険な時である。暴漢・悪人に襲われることもあり、誘惑に乗って刑罰を受けることもある。厳重な警戒が必要である。

 

◎四9:無言の警告があなたに発せられていることを知りなさい。

九四。无咎。弗過遇之。往厲。必戒。勿用永貞。

九四。咎无し。過ぎずして之に遇う。往けば厲い。必ず

戒めよ。永貞に用うる勿れ。

九三よりは危険度が軽いが、やはり警戒が必要である。近隣・職場・仲間など現在の環境か離脱するように計らねばならない。

 

◎五6:あなたが黙っていれば良いことがやってくる。

六五。密雲不雨。自我西郊。公弋取彼在穴。

六五。密雲、雨ふらず。我が西郊よりす。公、弋して彼の穴に在るを取る。

密雲雨降らずで、思い通りに運ばず、艱難辛苦が多い。環境も悪く、力量も不足だから事が渋滞する。力ある援助者を必要とするとき。

 

◎上6:物事を無理にやろうとしてはいけない。

弗遇、過之。飛鳥離之。凶。是謂災眚。

遇(あ)はず、之(これ)を過(す)ぐ。飛鳥(ひちょう)、之(これ)に離(かか)る。凶。是(これ)を災眚(さいせい)と謂(い)ふ。

運気など非常に凶運である。天災・人災ともに受けるときなので、注意が肝要である。何事も分相応に控えめにしていかなければならない。

 

「マーフィの易い」J.マーフィ(昭和61年、産能大学出版部)を参照しています。