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キーワード:いまだ成らず。

未濟。亨。小狐濟、濡其尾无所利。

彖曰、未濟亨、柔得中也。 小狐濟、未出中也。 濡其尾、无攸利、不續終也雖不當位剛柔應也。

象曰、火在水上、未濟。君子以愼辨物居方

未済(びせい)は、亨(とお)る。小狐ほとんど済(わた)らんとして、その尾を濡らす。利(よ)しきところなし。

彖(たん)に曰く、未済(びせい)は亨(とお)るとは、柔(じゅう)中を得ればなり。小狐ほとんど済(わた)らんとすとは、いまだ中(ちゅう)を出(い) でざるをなり。その尾を濡らす。利(よ)しきところなしとは、続いて終わらざればなり。位に当たらずといえども、剛(ごう)柔(じゅう)応ずるなり。

象に曰く、火の水上に在るは未済(びせい)なり。君子をもって慎みてものを弁(べん)じ方(ほう)に居(お)く。

 

 

 

〔大意〕これは前項の卦と反対で、まだ物事が成就していない状態です。しかも時はまだ至らずで、未完成な状態です。しかし、未完成な状態は完成された状態よりも上昇性があるという意味で、まだ期待が持てる。ただと気が整っていないので、たゆまぬ努力が必要だということです。

未完の大器という言葉があります。素質も才能もあるが、まだ花がひらいていない。かし可能性は誰もが認めるところである。あなたはいまこういう状態にあるといっていでしょう。

そこで必要なのは自己鍛錬であり、才能をみがくことであり、たゆまぬ努力をすることである。可能性を追求することで、その可能性は必ず実現する。あせったりあきらめたすることは禁物です。

易の一般的解釈では、衰運という見方がありますが、これはあまりに現状に偏った考え方といえます。『易経』には「小狐ほとんど済らんとして、その尾を濡らす」とあるとことから、こういった解釈が出てきたのでしょう。

狐は川を渡るとき尾だけは上げて決して濡らさないようにする。尾が濡れると早く走れなくなるからといわれています。その尾を川を渡り切る寸前で濡らす。これは不注意であり、気の緩みである。

この卦が出たとき注意するのはこの点です。せっかく能力にも恵まれているのに、不意や気の緩みで可能性をふさいでしまうことのないようにせよ。事はまだ成就しているけではないのだ。最終的には「未済は、亨る」とあるように、この卦の展望は明るいとていいでしょう。

 

◎運勢 はじめは困難で思い通りにならぬが努力して後に好転する。人間は何時も常識の埒外へとび出してより条件のよい生をめざしたがるものであるが、無理は禁物、じっくりと根を育てる努力が肝要である。

◎願望 今は通達し にくい時である。

◎事業 はじめは相当な苦難を伴うが除々に軌道に乗っていく。こつこつと信用を高めていく心がけが大切であり、新規事業・拡張・転業は時機待ちである。

◎結婚 成・可否ともによい占ではない。しばらく時期を置くことがよい。

◎交渉事 じっくり、誠意をもってこつこつと努力を続けることによって将来にまで有利な状態に発展することがある。

◎家出人 異性関係が原因することが多く軽はずみから出たものの行った先で困っているとみる。また入水自殺なども考えられるので八方に手を尽くして早く探すことが必要である。

◎待ち人 遅れて来ることが多い。

◎病気 心臓・目・腎臓・子宮病   ほかに性病・酒毒・血毒症状など、大体に慢性化しやすく手術を要する場合が多い。

 

  • 初6:いまは前進すべきではない。

濡其尾。吝。

象曰、濡其尾、亦不知極也

その尾を濡(ぬ)らす吝なり。

象に曰く、その尾を濡(ぬ)らすとは、また極(きょく)を知らざるなり。

 

  • 二9:忍耐強く取り組み続けなさい。

曳其輪。貞吉。

象曰、九二貞吉、中以行正也

その輪を曳(ひ)く。貞しくして吉(きつ)なり。

象に曰く、九二(きゅうじ)の貞しくして吉(きつ)なるは、中(ちゅう)をもって正(せい)を行えばなり。

 

  • 三6:他人を頼るな。自分の潜在意識の力をのみ信じなさい。

未濟征凶。利渉大川。

象曰、未濟征凶、位不當也

いまだ済(わた)らず。征(ゆ)くは凶なり。大川(たいせん)を渉るに利(よ)ろし。

象に曰く、いまだ済(わた)らず、征(ゆ)くは凶なりとは位(くらい)当たらざればなり。

 

  • 四9:困難、障害は勝利の前ぶれである。

貞吉、悔亡。震用伐鬼方三年有賞于大國。

象曰、貞吉悔亡、志行也

貞(ただ)しければ吉(きつ)にして悔(くい)亡ぶ。震(うご)きてもって鬼方(きほう)を伐(う)つ。三年にして大国に賞(しょう) せらるることあり。

象に曰く、貞しければ、悔亡ぶとは、志行わるるなり。

 

  • 五6:いまは確信することだけでいい。

貞吉。无悔。君子之光有孚。吉。

象曰、君子之光、其暉吉也

貞しければ吉(きつ)にして悔いなし。君子の光あり。孚(まこと)ありて吉(きつ)なり。

象に曰く、君子の光ありとは、その輝き吉(きつ)なるなり。

 

  • 上9:あなたはまもなく勝利の美酒に酔うことになるだろう。

有孚于飲酒。无咎。濡其首有孚失是。

象曰、飲酒濡首、亦不知節也

飲酒に孚(まこと)あり。咎なし。その首(こうべ)を濡らす時は、孚(まこと)あれども是(ぜ)を失う。象に曰く、酒を飲みて首 (こうべ)を濡らすとは、また節するを知らざるなり。

 

「マーフィの易い」J.マーフィ(昭和61年、産能大学出版部)を参照しています。