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さて、こうして最初の卦のメッセージを得たが、あなたは不満である。気持がすっきりしない。どうしても自分の考えを通したいと思う。こんなことなら占いをしないほうが良かった? そんなことはありません。易はこれでおしまいではないのです。易には変卦というものがあって、これは最初に出た卦をもとに第二の卦を求めることなのです。変卦のボイントは何かというと、それは6と9は「反対のものに変化する」ということです。易の思想は変化してやまないものですが、それが第二の卦となってあらわれてくるのです。

では、変卦をどうやって割り出すか。まず17番目の卦は二爻、四爻、上爻が変爻です。変爻は6←7に、9←8になります。陰は陽に陽は陰に変化する。なお7や8はそのままです。こうして6と9が変化すると、最初の卦はどうなるかといいますと、下から「768976」(17番目の卦)は「778877」となり、まったく新しい卦をつくり出します。この卦を前に述べた手順で一覧表に当てはめると、上卦は巽(そん)であり下卦は兌(だ)である。この組み合わせは61番目の卦となります。そこで61番目の項を見てみますと、そこには「風沢中孚(ふうたくちゅうふ)」と卦名がある。そのキーワードは「誠実」と出ている。これも文章を読んでみましょう。「この卦は吉の卦です。本文には『中孚は、豚魚にして吉なり』とあります。中孚(ちゅうふ)とは心の中に誠のあること。誠は他人に対してだけでありません。自分に対しての忠実ということも他人同様、ときにはそれ以上に大切です。この卦の出たときは、自分の楽しみごとや自分の利益を考える前に、家族や周囲の人間のことを考えるべきです。

そうすることによって心の平安が得られ、それが結果的にあなた自身に吉をもたらすことになるからです。あなたは自分の計画や自分の願望を放棄する必要はありません 」

この卦のいわんとすることは「親の意見をよく吟味検討せよ。そうすれば思いはかなえられる」ということです。この変卦はどういう役割を果たすかというと、最初に出た卦が易の指針、すなわちメッセージであるとすると、そのメッセージに従えば「こういう結論になる」という結果なのです。

つまりあなたは最初の卦の「親の意見に従え」というメッセージに不満だったが、それに従えば「あなたの望みはかなえられる」ということなのです。あなたは国立大学に受験すれば合格する。そして親も喜ぶ。さらにあなたが望む大商社に就職することもできるだろう―――考えてみれば私立大学に行かなければ、あなたが希望する商社に入れないというものでもない。あなたは私立大学と商社を結びつけて考えているが、それは絶対のものではない。むしろここは親の意見を入れて、経済的負担の少ない国立を目指すべきではないか。

こうして、易はあなたの問題に一つの回答を提示してくれるのです。

なお、第二の卦が出たときは、すでに6と9の数字はないのですから、爻辞は読む必要はありません。キーワードと大意だけを読んで自分の行動の指針にすればよいのです。

 

「マーフィの易占い」J.マーフィ(昭和61年、産能大学出版部)