仕事をしながら、日本の歴史を勉強しています。以下の文章は、元【(財)レーザー技術総合研究所 研究所長】山中千代衛先生の文章を偶々、ネットの中で見つけたので、ご参考のために供します。日本学術会議が、GHQの指導で心を失いましたが、山中先生は、その中で教育の重要性を訴え続けていらっしゃいました。以下引用です。

暑苦しい8月15日が蝉の声と共に巡ってきた。広島・長崎への原爆の投下、そしてお盆、終戦の日である。あの昭和の苦悩の年月も時代と共に遠い思い出になろうとしている。

 当時のことを物心ついて覚えている人は最も若くて65歳である。従って今日第一線で働く人々は全く敗戦の日々を知らない。昨今の歴史教育から考えると新・旧日本人の心の断絶はまこと凄まじいものがあると言えよう。

 アメリカは日本を7年の年月占領下においた。当時のGHQ(連合軍総司令部)のマックカーサーの威光は草木もなびくという有様、配下の第二級の軍人が日本の改造を計画したのである。財閥解体,戦犯裁判、好ましからざる(と見なした)人物の追放、教育改革と次々にマック指令が繰り出され、日本の人々はイラクなどと全く異なって唯々諾々、占領されているのに進駐軍といったり、慈悲深いまるで救世主のような崇め方。日本人は島国育ち、初めての敗戦降伏、権謀術策で生存を窺う智慧も持ち合わさず、心底からのサレンダーだった。イノセントで世界知らず。やっぱり民族としての経験が不足していたのだ。

 しかしアメリカの占領政策も日本のハード的基盤は改変できなかった。その後の日本の復興を見ればそのことは明瞭である。1980年代には、Japan as NO. 1という状況が出現し、Look the Eastが叫ばれた。でも1990年代旧日本人がいなくなると共にこれも崩壊した。それには見事な伏線が埋められていたからである。

 ただ一つ米国の政策で成功したものがあった。これが新教育の導入による日本人の改造だ。50年の教化が効を奏して今や日本のソフト的基盤の弱体化は見事に達成されたのである。かつての日本の教育の規範は儒教的ディシプリンが中心であった。武士道と言ってもいい。それがえせ民主化教育の下、個人主義は自己中心の思考に転化し、自由主義はまさにアナーキーに至らんとしている。改造教育を受けた人が現在主流を占めてしまったから、ちょっとやそっとで教育改正を企てることなど及びもつかない。その発想すらもはや日本人の心に浮かばない。教育の恐ろしさである。

【(財)レーザー技術総合研究所 研究所長】山中千代衛

Laser Cross No.198 2004 Sep

引用終わり

皇紀2677年 平成29年(2017年)2月15日にご逝去されました。